映画「十字架」感想。

映画鑑賞日記 - - 月渡

JUGEMテーマ:邦画

 

こんにちは。月渡です。
今回は映画「十字架」を観ました。

十字架 [ 小出恵介 ]

 




これは、いじめを受けていた子が自殺をし、その遺書に名を残された二人の少年少女が、それぞれに背負わされ生きていった数十年の話。

話はその遺書に名を残された一人、主人公真田の語りから始まり、亡くなった藤井俊介の葬式が執り行われるところから。
「いけにえ自殺」という報道をされたため、記者たちが藤井宅前に集まって、クラスメイトが現れたときは記者がたくさんいて生徒たちに迫っていた。


藤井の遺書には、4人の名前が書き残されていた。
一人は主人公の真田。「親友になってくれてありがとう」と。
もう一人、中川という女の子には「迷惑かけてごめん」「誕生日おめでとう」と。
残り二人はいじめを中心に執り行っていたふたり。「絶対許さない」と。

しかし、真田はただの幼馴染という感覚でしかなく、親友だったのかと父親に疑われたときも何も言い返せなかった。
あの態度からしてそこまで親友とも思っていなかったのだろう。

葬式の時に一番声を荒げていた記者が真田の前に現れたときも親友などではないと見抜いていた。
真田にどうするのかと問いかける。
両親に本当のことを話すか、と。
父も母も限界だと話す。父なんかは特に。
でもいじめた奴らへの怒りで気力を保ってるという。
そう言い残して去っていった。

この記者はそれ以降現れることはなかったんだよね・・・。


藤井は家族にもいじめのことを話してなかったようだ。
母親は少し異変に気付いていたが、父親は何かあれば本人が話してくれると信じていた。


しかしいじめてる奴ら観てると胸糞悪いな。
全員そろいもそろって一人をいじめてね。

んでも傍観者もいじめの一つと言われているけどさ、今度は自分がいじめられるんじゃないかと思えば気持ちはわからなくもないんだよな。
傍観するか、一緒に便乗するしかないんだろう。

男子のいじめは暴力的な面もあるんだよな。
しかもいじめてるやつらは先生に目撃されたとしても「訓練だから」と言い訳してたし、先生も「ほどほどにしろ」とあまり気にかけなかった。
でもさすがに机の落書き消さなければいじめだとバレんじゃね?

委員長であった真田も少しは心が痛むんだろうか、藤井が靴を泥だらけにされたとき、手を差し伸べようとしてた。藤井は笑顔で断ったけど。
みんなといるときも委員長らしく少しは止めようとするんだけど、声が弱いし、とっさに避けようとする。
けど見るだけしかできなかったと自白もしてたし。


藤井は母親と普段と変わらない様子で最後の言葉を交わしてその日に自殺をし、その次の日学校でクラス全員に藤井が死んだことを知らされる。
先生は「いじめる奴はクズだ、傍観者は卑怯者だ」といって訴えかけた。
それで終わり。
先生もいいこと言ってるつもりだろうが、なんだかもう少し気にかけてやればよかったのになと思うところではありました。
教室では、罪の擦り付け合いが行われる。いやお前ら全員共犯者だよ(笑)
日直が藤井の席に花を生けたとき、わざとらしいような、大げさにわ〜〜〜っとなく女子を見て、何を今さら号泣してるんだと鼻で笑ったよ。
ほかの人らもすすり泣いてさ。
それは後悔の涙か?
昨日までいじめてるところ一緒に観て笑ってただろ君たち。
まぁまだなくのはいいけどさ。主にいじめてたやつらは絶対反省してない。

その死は藤井の遺書とともに大々的に週刊誌などにも取り上げられ、保護者や記者たちが学校側を言及。
学校側の会見の時もめっちゃメモ書き見ながら話してるよ校長。
まぁ話を聞く限りじゃ定番の学校側は守りの体制ですね。

いじめっ子はネットでさらし上げられ、非難を浴びるようになった。
けどいじめしてる奴らは全然反省しておらず、藤井がいた席でトランプし始めてた。
傍観者たちにはいじめてることを傍観してたの逆切れしてた。おいおいいじめてたのお前らだろ笑
けどいじめた側の中心人物の一人は、ネットにもさら仕上げられたので身バレして電話やマスコミらにマークされ追いつめられてた。
もう一人は交通事故であっさり死んでしまった。


納骨の前に藤井の家へ尋ねる真田と中川。
母親が藤井の昔話を語り語って、そして知らされる藤井がどういういきさつで死んだか。

藤井は死ぬ前に、中川さんへのプレゼントを買いそのプレゼントを宅配するついでに縄跳びを買った。
その縄跳びの紐で、自宅のカキの木で自殺を図ったのだ。

中川さんはそこで必死になって謝った。
なんでそんなに必死に謝るんだろう。心から謝っているようだったが。
それはなぜか。

数年後、真田と中川が大学に受かり、東京に行く前に藤井の家に行ったとき中川が耐えられなくなりそこで真実がわかる。
中川が自白したのだ。

藤井が死ぬ前、彼女へ電話があった。プレゼントを渡したいが家に行っても良いかと。
けど彼女は冷たくあしらった。
その日は中川の誕生日だった。
彼女はそうしなければ死ななかったも知れないと悔やんでいた。


中川が遺書に名を残されていたのは、藤井がいじめられて無視されたりする中、彼のあいさつに唯一返事をくれたのが彼女であり、そこから好きになったと推測できるが、その彼の好意も彼女にとっては迷惑だったようで。
しかし図らずも中川の誕生日が藤井の命日になってしまったのでさらに彼女は重荷になってしまった感じ。
罪悪感にとらわれていたのだろう。


藤井の母親は彼女の真実を聞いたそばからショックで倒れるし、藤井の弟ももう何年も経った兄の死を乗り越え、許せると思っていたことが、その話を聞き、とんだ裏切りだと言い、また怒りの感情が芽生えてしまった。

真田は冷静に中川に言及する弟をなだめようとするが無理で、真田もついに本音が飛び出る。
迷惑だ、と。
遺書に名前を書かれてどれだけ苦しんだか。
親友でも何でもないと。
藤井を相手にはしてなかったと。

そして喧嘩になりかけてたが、藤井父がその場をなだめ、二人には出ていってくれと言い放つ。

てか弟の「必死だった」って言葉何度か出てきたんだけどどれだけ必死だったか、その辺の描写が全くないから、いまいち伝わらないんだよね・・・。
言葉だけだもんね。


そういえば高校卒業時期になると、真田と中川二人付き合ってたっぽいんだよね。
ていうのが、高校卒業式のころにアイコンタクトしてたのでね。
おやおや?って思ったけど。
まぁそうなるよな。
だから藤井家族にも内緒にしてたんだろうな。

二人で東京に出たら一緒に同棲してたようだが、藤井の7回忌のことで揉めて破局したっぽい。
中川にとっては中川の誕生日が藤井の命日だからな。
真田は藤井のことを忘れたいようだったが、中川は藤井のことが忘れられないのだ。


さらに数年がたち、真田は中川とは別の女性と結婚し、子供も作ってた。
子供を公園で遊ばせてる真田の元に藤井の弟が現れる。
藤井弟は近状を伝えた。
母は死に、彼も就職して真面目に生きているようだ。
兄の死を乗り越えたみたいだけど、まだ暗い感じの印象だった。弟君の将来に幸あれ。


さらに五年。
子供も成長し、子供の同級生との付き合いの状況を垣間見て、奥さんと会話する「本当は親友じゃなくて憧れなのかも」という言葉を聞き、何を思ったか真田は藤井宅に向かう。
たぶん自分と藤井の関係性に通じるもの、似たものを感じたのかな?
今まで藤井の家に足を運んでなかったのもあるのかもしれない。

藤井の父親の話。
妻はいじめに気付いてたが自分は何もしてやれないことを悔やんでた。
そしてカキの木の話をした。そう、藤井君が首つり自殺を図った木だ。

藤井の父が言うには、夏にセミが来なくなり、実をつつきに来る鳥も来なくなったそうだ。
「この木の役目は終わったんだよ」と語っていたのが印象的だった。

真田は何をすればいいのか藤井の父に問う。
そしたら父親はこれから先、藤井のことをずっと背負っていくんだと語る。
まるで自分にも言い聞かせるように。
そして藤井が死んだときから何を思い生きてきたのか、どんなふうに背負ってどんなふうに大人になっていったのか、いつでもいいから、そのときの心情を書いて来いというのだった。

そして真田が去った後、父親はカキの木を切りだした。泣きながら。
カキの木の役目が終わったからなんだろうか。
父親の悲しみが現れるシーンだった。
葬式のシーンでもそうだし、中学卒業式に藤井の父親が現れ藤井の遺影を掲げたり、本当に息子思いな父親だったな。


そして、中川から真田に手紙が送られた。
その手紙の内容も、彼女の今の心情を書きだしていた。
その中でも印象的だったのは、自分たちの背負ったもののことだ。
「荷物を降ろせ、それって無理だよね。重たい荷物を背負ってるんじゃなくて、重たい荷物と一つになってあるいているんだと。だから下ろすことなんてできない。私たちに背中を丈夫にして足腰を鍛えることだけなのかもしれない」と中川なりに背負うもののことを考えていた。
ここがとても印象的だった。たぶんこの作品の伝えたかったことの一つなんだろうな。


真田は息子とサッカーをしている最中、藤井の幻想を見る。
その幻想の中で二人はサッカーをする。
そして藤井はシュートを決め、最後に親友だからねと告げて消えてく藤井。
涙する真田。
「フジシュン」と。あだ名で呼ぶだけで、その時に心情は何も語られなかった。
これは、観るもののご想像にお任せしますって感じだよね。
個人的には、ここでようやく二人は本当に親友になれたのかな?どうなのかな?って思うところでありました。
あと、藤井へ最後の言葉を交わしたのかな、と。それでも名を呼ぶだけで言葉が出てこない様子だった。

現実に戻り、子供と帰り際に「おとうさん、それでもサッカーやってたの?」ていう子供のセリフにはちょっと笑った。


最後、ずっととっておいた藤井の母親から合格祝いにもらったペンで、真田は藤井が死んでから背負ってきたことを書き記していくのだった。

そしてエンディング。

最後のエンディング直前の手紙の内容のくだりが冒頭の主人公の語りの出だしと一緒だったので、冒頭につながるようにちょっと工夫されて作られてます。こういう細かい工夫は好きだな。
この話の本編の主人公の語りは藤井の父に当てた手紙の内容なんだろうか。


悪くない作品。結構良かったと思います。
あくまで遺書に残された二人の人間が数十年間どう生きてきたかがメインなので、いじめの問題がどうこうという話ではないからその辺はうまく描けてるんじゃないかな。
タイトルの通り真田も中川も、藤井父親、弟もみんなこの先も藤井の死を背負って行くんだろうなという感じだったね。
真田が最後に藤井父親に手紙を送ったのかどうか、そこはわからないがそれを見た父親は何を思うんだろうね。

でも最後にダメだしするのならば急にシーンが変わるのにはびっくりだったし、時間軸が変わりまくるし、細かいところが気になった。最初に出てきた印象の強い記者が最初にでたっきりであと全く出てこなかったな。その記者が出るシーンが重要でなければ出なくてもよかったんじゃないかな、記者。

と思いました。
次は何を観ようかな。

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